2019年3月16日土曜日

平成30年度 新人・初任者研修および冬季研修会、事例検討会の報告

平成31年3月2日(土)・3日(日)の2日間で行なわれました新人・初任者研修および冬季研修会、事例検討会の様子をご報告します。




 1日目の3月2日(土)は10:00~新人・初任者研修が行われ、9名の方が参加されました。
グループワークを中心に日々の実践を振り返る中で、利用者・家族とのかかわりや業務の中での葛藤、うれしかった体験談などについて話し合いました。
 参加者の皆さんの中で共感する部分が多くあったようで「悩みやジレンマをお互いに共有することができてよかった」「同世代のPSWはどう感じているかを共有し、自分を見つめなおすキッカケになった」「お互い働いている分野は違うが参考になる話を聞けて良かった」との感想がありました。









 













 
 午後から冬季研修会が行われ、聖学院大学 人間福祉学部 人間福祉学科の相川 章子先生より「支援関係を超えて~当事者との新たなつながりを求めて~」とのテーマでピアサポートについてご講演いただきました。
 「ピアとは何か?」という基本的な学びを含め、支援を「する側」「される側」という固定化された関係性の中での限界に気づくこと、その関係性を柔軟化する鍵である「ピアサポート」の重要性について学びました。



相川 章子 先生 (聖学院大学 人間福祉学部 人間福祉学科  教授)

 また、講義の中では、お二人の当事者の方をお招きし、ご自身の体験談(リカバリーストーリー)を通しての、経験者としての思い、私たち精神保健福祉士に期待したいことなど、貴重なお話を聞かせていただきました。

 相川先生や当事者の方々のお話をふまえて、グループワークも行い、日々の自分たちの患者、利用者との関係について改めて振り返り、現場での難しさもあるものの、対等な関係性を構築することを常に意識してかかわることの大切さを感じました。







 講義・グループワークを通して、「『ピア』『ピアサポート』はとても興味があったテーマで、当事者の方のお話も聞けてとても貴重な時間だった」「当事者が力を発揮できる場を奪っていないか?という気づきが出来てよかった」といった感想が多く、とても学びの多い時間でした。
 相川 章子 先生、お2人の当事者さまありがとうございました。







 2日目の3月3日(日)は10:00~事例検討会が行われました。今回は福井市地区障がい相談支援事業所ほくとう  柄谷 明代さんより本人への支援に対して家族への支援が必要なケース」というテーマで事例を提供していただきました。
福井市地区障がい相談支援事業所ほくとう  柄谷 明代さん

 本人だけではなく、家族の中に障害をもつ方が複数人いるという「多問題家族」、本人とのコミュニケーションまで辿り着くことも難しい今回のケースについて、助言者の福井県立大学 看護福祉学部 社会福祉学科の吉川先生によるグループワークを行い、「本人の現在の状況とは?」「本人に対してどのような目的をもって支援をするか?」など吉川先生からの投げかけについてグループごとに話し合いました。






 グループでは、「本人と他の家族との関係が複雑であり、本人の状況をとらえるのが難しい」「本人とのコミュニケーションが難しく、どのようにアプローチするとよいか?」などの意見が多くありました。



















 吉川先生のお話やグループワークを通して、「一世帯のなかで、複数の個人が課題を抱えているというケースの難しさを感じた」「普段、簡単に『本人と信頼関係を築く』という言葉を使っているが、それがいかに難しいことであるかを感じた」「難しい事例だったが、興味深く勉強になった」との感想があり、学びの多い事例検討会でした。

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